クールなオオカミの過剰な溺愛
そのため私は問題を解き始めた。
「……千紗」
「煌哉がやれって言ったんでしょ」
なのに私の名前を呼ぶだなんてどういう神経をしているのだ。
「うー…わからない」
「どれが?」
「これ…」
問題を指差して顔を上げた瞬間、煌哉が顔を傾けて近づいてきた。
明らかに唇を狙っていて、優しく重ねられる。
「…っ」
「最近、千紗に触れてなかったから。
不意打ちで」
子供のいたずらが成功したかのように笑う煌哉に、ドキッと高鳴る胸。
「ま、真面目にやろうとしてたのに…!」
「その前はサボってたからダメだな」
「このキス魔!」
「そんなキスしてないだろ」
そんなって…本気で言っているのだろうか。
私はこんなにも乱されているというのに。