クールなオオカミの過剰な溺愛



「ほら、早く終わらせないと帰れねぇ」
「煌哉が私に…!」

「なに、またキスしていいのか?」
「…っ、やる…けど」


一度煌哉を睨んでからまた視線をプリントへと落とす。


まったくひどい男だ。

自分の感情のままに動き、私の気持ちは考えてくれない。


今だって微笑みながら私の頬を突っついてくる。

早く終わらせろと言うくせに、邪魔してくるのだから矛盾している。



「そんな頬突っつかないで」
「千紗って本当にかわいいな」

「……っ」


冷静に、あくまで冷静に。
顔に出してはならない。

そう思っているのに、乱される感情。


「いつになったら俺のモノになる?」
「……なりません」

「あっ、照れてる」
「うるさいよ!」


いちいち指摘しないでほしい。
恥ずかしくなるばかりだ。

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