クールなオオカミの過剰な溺愛
まさかこのような展開になるとは思わなかったけれど、美織さんを含めた3人でカフェへと入る。
その途中の道では誰も口を開くことはなかった。
全員が飲み物だけを頼み、変に緊張した私はゴクゴクと冷たいジュースを喉へと通す。
けれど煌哉と美織さんは一切飲み物に手をつけることはない。
とりあえず沈黙を破ろうと、向かい側に座る彼女に声をかけた。
「私は夏原千紗って言います…!さっきも言いましたが、水瀬くんと同じクラスの者です」
自己紹介から始めた私はチラッと煌哉に視線を向ける。
けれど煌哉は会釈するだけで、対する彼女はそんな私たちを見てぺこりと頭を下げていた。
「私は坂田 美織です。
水瀬真問の……幼なじみ、でした…」
幼なじみ。
なぜかその言葉に反応してしまう私。