クールなオオカミの過剰な溺愛
「嫉妬、か…」
「そう嫉妬。
私は絶対的平和主義なの」
「なんだそれ」
ふっと小さく笑う煌哉は、どうやら機嫌を損ねたわけではなく安心する。
「あんまり目立ちたくないって意味。
のんびり暮らせたらそれでいいの」
「まあ千紗は化粧にも興味ねぇ地味女だから、大丈夫なんじゃねぇの」
「あっ、今のは悪口!」
確かにその通りだけれど。
化粧とか程遠い存在である。
一度してみようと思ったのだが、朝が弱いということが致命的で諦めてしまった。
素の顔がお世辞にもかわいいとは言えないため、化粧をしたほうがいい気はするけれど。
「冗談だって。
千紗は何もしなくてもかわいい」
「今更騙されません!」
さっきバカにしたくせに、いきなり調子のいいことを言うのだから。