クールなオオカミの過剰な溺愛



「水瀬のこと詳しくなるくらい関わってたんだ?」
「ちがっ…ほんと、たまたまで」

「この男タラシ」
「タラせるほどの女じゃない!」


それは美男美女に対して使える言葉ではないか。
私が男をタラすだなんてありえない。


「……俺だけが」
「え…」

けれど少し、いやかなり不機嫌な煌哉。
ここまで自分の感情を表に出す彼を私は知らない。


「煌哉、怒らないでよ」
「……別に」

「どうしたら機嫌なおしてくれるの?」
「千紗が俺のものになったら」


それはハードルが高い。
首を横に振れば、今度は黙り込んでしまう。

煌哉って本当にこんなタイプだっただろうか。
そう思った時、突然煌哉に手を握られた。

< 235 / 300 >

この作品をシェア

pagetop