クールなオオカミの過剰な溺愛
「早く千紗が欲しいからな。
そうすれば、いつでも千紗を独り占めできる」
そう言って私の頬を軽くつねってくる煌哉。
「夏休み、私を独り占めするんでしょ」
「もちろん。毎日千紗とキスし…」
「そ、それはやだ!」
どれほどキスがしたいのだ。
「ダメ。
千紗はもう俺のもの」
「勝手に決めないでよ…!」
「千紗は俺のこと嫌いなのか?」
うっ、その質問はずるいではないか。
何も嫌いとは言っていない。
「嫌い、じゃない…」
「嫌いじゃないだけ?」
「す、好きだけど…恋愛感情じゃないから」
「恋愛感情に変えればいいんだろ?」
余裕な笑み。
今度は私の頬を撫でるように触れてくる。
愛おしそうな眼差しに、その手つきに。
恥ずかしくて鼓動が速まる中で、私は彼から顔を背けた。