クールなオオカミの過剰な溺愛






午後の授業が終わるまでの間、水瀬くんは少し緊張しているような様子だった。


「千紗」
「は、はい!」


帰りのホームルームで、煌哉に声をかけられた私は振り返った。



「昼休み、大丈夫だったのか?」
「えっ…」

「水瀬のこと」

「あっ、うん…!
ちゃんと会うって決めてくれたよ」


煌哉は水瀬くんのことを嫌っていたようだけれど、なんだかんだで心配している様子。


「そっか」
「あとはふたりが無事に会ってくれれば解決だね」

「……何、まだ俺が逃げ出すんじゃないかって疑ってるの?」

「わっ、水瀬くん…」


どうやら私たちの会話を聞いていたようで、前の席である水瀬くんがこちらを振り返った。

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