クールなオオカミの過剰な溺愛
「まあ水瀬は弱そうだしな」
「あっ、こら!
そんなこと言わないの!」
ここに来てどうして喧嘩を売るようなことを言うのだ。
「千紗にキスして泣かせておいて自分は他に好きなやついるって、意味わかんねぇだろ。このお人好し」
「うっ…」
確かにそうかもしれないけれど。
逆に関わりを持ってしまったために、放っておけなくなったのだ。
「じゃあ煌哉が上書きすればいい話じゃない?
何度も、ね」
「そんなの言われなくてもしてる」
「……っ!?
こ、こ、このハレンチな…!」
ふたりして何話しているのだ。
どっちも表情ひとつ変えないし、恥ずかしい思いをしているのは私だけ。
「へぇ、もうそこまで進展してるんだね」
「うるせぇ。水瀬は入ってくんな」
ああ、もうダメだ。
完全に敵対視している煌哉に対し、にこにこ笑っている水瀬くん。