クールなオオカミの過剰な溺愛
「本当に煌哉って上げたり落としたりするよね」
「落とした記憶はないけど」
「落とされてます!」
今だってそうだ、曖昧に濁しちゃって。
本当は『化粧くらいしろよブス』とか思っているはずだ。
「やっぱりそうか…煌哉も女子は化粧したほうがいいと思うよね?
どうしよう、そんな技術私にはない…」
化粧とは早起きすること、と結び付けているほどなのだ。
つまり化粧は私の敵である。
「あのなぁ、なんでそうなる」
「だって煌哉も自分の身だしなみを整えて、少しでもかわいく見せようと努力してる女子のほうがいいでしょ?」
「一切興味のねぇ話だな」
「もーひどいなぁ」
少しくらいまともに答えてくれたっていいのに。