クールなオオカミの過剰な溺愛



水瀬くんのせいで、ホームルームが終わってからも不機嫌だった煌哉。

クールなポーカーフェイスと言われていた煌哉はどこに行ったのだ。


「……まだ来てなさそうだね」
「そんなに俺、信用ない?」


門前で美織さんを待つまでの間、私も一緒にいることにした。

もちろん隣には煌哉もいる。



「信用がないわけじゃないよ?どっちかといえば水瀬くん、ひとりだと誰かに声かけられそうだから」


もし美織さんが来た時に女子に囲まれていたら、彼女は気が引けてしまうかもしれない。

それなら私と煌哉が予め一緒にいたほうが確実だろうという考えである。


「……へぇ、夏原さんにしては賢い考えだね」
「もー、私には本当にひどいんだから」


何度見下すような言い方をされただろうか。

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