クールなオオカミの過剰な溺愛
そんなの当たり前だ。
女子力のかけらもなかった私が。
興味すらなかった私が。
少しずつ見た目から女を目指しているのだから。
「煌哉は部屋で待っててね!
飲み物用意してくるから」
少し強めに背中を押して部屋の中に入れた後、扉を閉めた私。
「……き、緊張…したぁ」
我ながら、少し思い切ったことをした。
けれどやっぱり恥ずかしい。
ジュースをコップに入れ、煌哉の待つ部屋へと向かう。
また少し緊張しながらも扉を開ければ、すぐさま煌哉と目が合った。
「は、はいこれ…!ジュースね!」
「……ありがとう」
「うん!く、クーラーは寒くない?」
私は恥ずかしさで全身が暑いため、もうひとつ温度を下げてもいいのだが。