クールなオオカミの過剰な溺愛
「これはキスしていいってことか?」
「……っ、どうしてそうなるの」
「また勉強する前に一回だけ。
そしたらやる気に満ち溢れる気がする」
そんなこと言って、ただキスがしたいだけのくせに。
さっきもキスしたのだ、彼の欲は深すぎる。
「ほら、目閉じて」
私の返事を聞かずに彼の手が後頭部に添えられる。
ここまで来て拒否はできなさそうだ。
「……本当に一回だけ?」
「今日はな」
「今日はって…」
「早くしねぇと時間なくなるぞ」
ああ、そうやって上手いこと言って。
明日からも私はまた煌哉に振り回されるのだ。
「寝起きだからかな、頭がぼーっとする」
胸の高鳴りが止まなくて、クラクラして。
受け入れるように目を閉じたのは全部寝起きのせい。