クールなオオカミの過剰な溺愛



そうだ、すっかり忘れていた。
私の夏休みは煌哉のモノになるのだ。

いや、本気かわからないけれど。
私と出かけたいとも言っていた。


私が場所を決めていいような言い方をしていたけれど、正直決めていない。

何気に一日中煌哉と出かけるだなんて初めてかも。


足をプラプラさせ、少し落ち着かなくなる。
だって…これはデートというものになるのでは?

一応男女で出かけるのだ。



「……水瀬くん」
「…………」

「みーずーせーくん」
「うるさいよ、何?」


なるべく小さい声で話しかけたというのに、面倒な顔をされつつも振り返ってくれる水瀬くん。


「オススメのデートスポットは?」
「……はい?」

「美織さんと、最近どこいった?」


“美織さん”

その名を出せば、彼はほんのり頬を赤く染めるのだからわかりやすい。

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