クールなオオカミの過剰な溺愛
「じゃあとりあえず私の家おいで。
お母さんに言えば理解してくれるだろうし」
「……は」
「はい立って!
ここにいたって周りに迷惑かけるだけだよ」
彼の濡れたシャツをグイグイ引っ張ると、諦めてくれたのか素直に立ち上がってくれて。
私よりも背が高い彼は、じっと私を見下ろしてきた。
「どうしたの?」
少し様子が変だなと思い声をかければ、彼はおもむろに口を開いた。
「お前は迷惑だって思わないのかよ」
「えっ、私?」
もしかして迷惑じゃないかと心配してくれてるのだろうか。
「別に迷惑とか思ってないよ。
だから早く行こう!」
はっきりと迷惑じゃないと言い切った私は、自分の家へと向かう。