クールなオオカミの過剰な溺愛



「毎朝眠たそうな顔してるけど、今日は一段とひどいね。もしかして(きょう)ちゃんの出た深夜番組、リアタイ下の!?」


さすがは凛花、鋭い。
響ちゃんとは私たちの好きな俳優の愛称である。


「当たり〜」

「うわー、さすが千紗!私も頑張ってたけどいつのまにか寝落ちしててさ、録画組なの。ネタバレ禁止だからね!」


「どうしようかなぁ」
「本気でダメだから!」


早く凛花と語りたいという気持ちが先行してネタバレしたいけれど、ここはぐっと我慢する。

なんせ同じ推しなのだ、ネタバレしてほしくない気持ちはわかる。



「とりあえず響ちゃん、すっごくかわいくてかっこよかったから!」

「ギャップで殺しにかかる感じね」


とはいえネタバレをしなくても響ちゃんのことを語り合えるため、気づけば眠気は飛んで凛花と話し込んでいた。

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