クールなオオカミの過剰な溺愛



「はぁー、響ちゃんに会いたい」
「本当にそれだよね」


響ちゃんの話になると、最後は必ず“会いたい”という話題へと変わる。

今はメディアに引っ張りだこの彼は、この間また映画の主演が決まった。


今も連続ドラマの撮影で忙しいはずだから、倒れないか心配である。

もちろん画面越しとはいえ、響ちゃんを拝めることに喜びが勝るのだけれど。



「ふたりとも、また“響ちゃん”の話してるんだな」

凛花と頬を緩ませながら弾丸トークを繰り広げていると、それを遮るようにひとりの男子が話に入ってきた。


その人物とは水瀬(みずせ) 真問(まとい)くん。

さわやかな笑みを浮かべている彼は煌哉と肩を並べるほどのルックスの持ち主だ。

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