クールなオオカミの過剰な溺愛
ただ残念なことに、凛花は響ちゃんと推しているアイドルにしか目がない。
だから水瀬くんには頑張ってもらわないと。
今のところ告白されても断っているらしいし、これは凛花のことが好きで間違いない。
心の中で水瀬くんを応援する言葉をかけていると、まだホームルームの時間になっていないのだが担任の先生が教室へと入ってきた。
「今日は席替えするからホームルーム早く始めるぞ」
先生はそう言って、教卓に自分の荷物を気だるげに置いた。
「あっ、今日って席替えだったんだ」
煌哉と登校した時は覚えていたのに、すっかり忘れていた。
パッと煌哉の座っている廊下側の席を見たけれど、彼は教卓をぼーっと眺めていた。
その姿でさえ絵になるのだからすごい。
私も一度はあんなイケメンになってキャーキャー騒がれたいものだ。