クールなオオカミの過剰な溺愛



「千紗、席が近くになれるといいね!」
「うん!凛花ともなれるように願ってるね」


煌哉だけでなく凛花とも席が近くなれれば、私は勝ち組だ。


「夏原さん、俺とは?」
「……え?」

凛花が自分の席へと戻り、私も座り直したところで隣の席である水瀬くんにまた話しかけられる。


「水瀬くんが、何?」
「俺とは席が近くになりたいって思ってくれないの?」

「……うん?」



どうしてこうなるのか、あまりにも話が飛びすぎているため理解に遅れてしまう。

水瀬くんが近くになりたい相手は凛花だろうに。


「俺はまた夏原さんと席が近くなれたらいいなぁって思ってるよ」

「どうして?」


私なんかと近くなって、彼に何の得があるのだろうか。

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