クールなオオカミの過剰な溺愛
「夏原さんは落ち着くからね」
「えっ、落ち着かないよ」
水瀬くんって意外と感覚がズレているのだろうか。
こんな私といて落ち着くだなんて。
じっと水瀬くんを見つめ返していると、ふと彼の耳たぶに視線がいった。
彼の耳たぶにはシルバーのピアスがつけられている。
こんなさわやかなイケメンがピアスをつけていると、逆に危ない感じがしてかっこよさが倍増だ。
「ピアス男子もいいなぁ…」
「……ふっ、夏原さん。
心の声が漏れてるよ」
「へっ!?」
慌てて口元を手で覆うけれど時すでに遅し。
完璧に水瀬くんに聞かれてしまったことだろう。
「待って、今のは聞かなかったことに…」
「夏原、何騒いでるんだ?
うるさいぞ」
「……っ、すみません」
ダメだ、恥ずかしい。
先生に注意されてしまった。
周りから視線を浴びせられた私は、途端に恥ずかしくなる。