クールなオオカミの過剰な溺愛
「夏原さん、どうだった?」
「あっ、18番だったよ」
「えっ、じゃあ俺と前後ってこと?」
「そういうことになるね」
「やば、それは嬉しい」
なんて、本当に嬉しそうに言うものだから私までその気持ちが移りそうになってしまう。
「変な水瀬くん」
「変ってひどいなぁ。
本心なのに……」
「真問ー!席替えどうだった?」
「一番前か!?」
まだ水瀬くんが話していたけれど、彼と仲のいい男子が話に割り込んできて。
ちょうどいいと思った私は席を立ち、黒板に自分の名前を書き込もうと思った。
「千紗、席どうだった?」
凛花の席を通り過ぎる際、彼女に話しかけられた私。
心なしか凛花の表情が暗く思えた。
「私は前とまったく同じだったの」
「えっ、嘘!
私たちまた席遠いじゃん」
最悪ー、と言って落ち込んでしまう凛花。