クールなオオカミの過剰な溺愛
それにしても、まさか本当に煌哉と席が近くなるだなんて。
「……ん?」
その時にふと、先ほど煌哉が女子と話していたことを思い出した。
「もしかして…」
確か煌哉自身、『後ろの席になったから』と言っていた。
「煌哉!」
「……何」
黒板に名前を書き、私の後ろへとやってきた煌哉に早速疑問をぶつける。
「ズルしたでしょ!」
「……声大きい」
事実だからだろう、静かにしろとでも言いたげな顔をされてしまう。
「あーあ、悪い子」
「とか言いながら嬉しそうに笑ってるくせに」
「えへ、バレた?」
そんなの嬉しいに決まっている。
必然とはいえ、煌哉と前後の席になれたのだ。