クールなオオカミの過剰な溺愛



「んー、じゃあ夏原さんの好きなタイプ教えて」
「私の話?」

それだと全然面白くない気がするのだが、素直に答える。


「もちろん響ちゃんみたいな人!」


大好きな俳優なのだ、響ちゃんは理想の人である。
なんでもできるし、かわいいしかっこいい。


ギャップという兵器を持つ彼の人気はとどまることを知らない。



「それだと意味ないよ。
もっとわかりやすい例で」

「わかりやすい…」
「優しい人が好きとか」

「ああ、そういうことか!」


どうやら私は理想の彼氏像を語っていたようだ。


「でも好きなタイプ、かぁ…」

響ちゃんしか目になかった私は、好きなタイプだなんて考えたことがなかった。



もともと恋などした経験はない。

< 45 / 300 >

この作品をシェア

pagetop