クールなオオカミの過剰な溺愛
「んー、じゃあ夏原さんの好きなタイプ教えて」
「私の話?」
それだと全然面白くない気がするのだが、素直に答える。
「もちろん響ちゃんみたいな人!」
大好きな俳優なのだ、響ちゃんは理想の人である。
なんでもできるし、かわいいしかっこいい。
ギャップという兵器を持つ彼の人気はとどまることを知らない。
「それだと意味ないよ。
もっとわかりやすい例で」
「わかりやすい…」
「優しい人が好きとか」
「ああ、そういうことか!」
どうやら私は理想の彼氏像を語っていたようだ。
「でも好きなタイプ、かぁ…」
響ちゃんしか目になかった私は、好きなタイプだなんて考えたことがなかった。
もともと恋などした経験はない。