クールなオオカミの過剰な溺愛
「じゃあ夏原さんは強引な人、好き?」
私がなかなか答えないからだろうか。
彼のほうから質問されてしまう。
「うーん、どうだろ…」
強引な人、といえばマイナスにしか思い浮かばない。
本人が拒否しようとしても無理矢理押し付けてくる、とか。
「響ちゃんって人に置き換えてみたら早い気がするね」
「響ちゃんが、強引…」
水瀬くんの言葉を素直に受け取った私は、響ちゃんに置き換えて想像してみる。
少し前に流行った壁ドンとか顎クイとか。
響ちゃんに迫られて、もしそれらをされてしまえば───
「……うん、好き」
そんなの最高のひと言に尽きる。
『逃がさない』と言われたらもう完璧だ。