クールなオオカミの過剰な溺愛



「じゃあ夏原さんは強引な人、好き?」


私がなかなか答えないからだろうか。
彼のほうから質問されてしまう。


「うーん、どうだろ…」

強引な人、といえばマイナスにしか思い浮かばない。
本人が拒否しようとしても無理矢理押し付けてくる、とか。


「響ちゃんって人に置き換えてみたら早い気がするね」
「響ちゃんが、強引…」


水瀬くんの言葉を素直に受け取った私は、響ちゃんに置き換えて想像してみる。


少し前に流行った壁ドンとか顎クイとか。
響ちゃんに迫られて、もしそれらをされてしまえば───


「……うん、好き」

そんなの最高のひと言に尽きる。
『逃がさない』と言われたらもう完璧だ。

< 46 / 300 >

この作品をシェア

pagetop