クールなオオカミの過剰な溺愛
*
「バチバチだね、あそこ」
待ちに待った昼休み。
凛花がお弁当を持って私の席に来るなりそう言った。
「あそこって?」
「東條と水瀬」
「……ああ、やっぱり凛花もそう思う?」
イケメン同士、お互いを敵対視しているのだろうか。
それにしても間に挟まれた私の気持ちを考えてほしい。
「イケメン同士の戦いってなんかいいね!
どう考えても絵になるから!」
「……はぁ、ここにバカがいる」
別に本当のことを言っただけだというのに、なぜか凛花に呆れられてしまう。
「千紗が原因なんだよ、ふたりがバチバチなの」
「……はい?」
いきなり凛花が変なことを言うから、目を見張って驚く私。