クールなオオカミの過剰な溺愛
元不良の彼は
あの雨の日の出来事は高校生になった今でも覚えている。
だってあの日から彼は───
「千紗、寝坊するぞ」
私に懐いてしまったから。
朝が苦手な私を気にかけ、今日も起こしに来てくれた彼の名前は東條 煌哉。
元不良の彼は、あの雨の日の翌日から金髪だった髪を黒く染めて真面目になった衝撃は学年を超えて学校中へと行き渡っていた。
「んー、煌哉…あと5分だけ」
「また夜更かししたのか?」
「だって好きな俳優が深夜番組に出てたの」
「録画して観ろよ、それくらい」
わかってないな。
リアルタイムで観ることに意味があるというのに。
なんて思いつつ、朝が苦手なくせに夜更かしをする私が悪い。