クールなオオカミの過剰な溺愛

学力も同じ、と言いたいところだけれど彼のほうがずっと賢い。

ただ中学での不良期間が長かったためか、内申がすこぶる悪く偏差値を落として受験するしかなかったのである。


そんな彼に対して私、夏原(なつはら) 千紗(ちさ)は特に目立つ部分がない冴えない女である。



まさか高校も同じになるとは思っていなかったけれど、別に気にしない。


中学の頃を反省した彼は、高校に入学した初日から真面目に過ごしているようで。

高校二年になった今では学校で1.2を争うイケメンだとか。


そのため女子は私を経由して煌哉とお近づきになろうすることが多々あった。


本人は女子に一切興味がないようで、よく私に『断るのが面倒だから女子に協力とかするな』って言ってくるけれど、告白諸々など非常に丁寧に断っている煌哉を私は知っている。