クールなオオカミの過剰な溺愛



「ちーさ」
「か、かわいくお願いしても無理だよ!」


そんな呼び方、今までしたことないくせに。
ギャップで殺す気かっての。

かわいさを持ち合わせてるイケメンって一番やばいではないか。


「バカだな千紗は。
ここは素直に受け入れとくのが正解なのに」

「は…?」


受け入れたらつまり、キスされるということではないか。

そんなの無理だ恥ずかしくて耐えられない。
それに初めてのキスをこんな奪われ方されたくないし。


「千紗、色々無防備すぎ」
「な……ひゃっ!?」


それは突然だった。

『何が』と聞き返す前に、私の耳に息を吹きかけられたのである。


くすぐったくて肩がビクッと跳ねてしまう。

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