クールなオオカミの過剰な溺愛

「千紗が水瀬に言ってたのに？
強引な男も良いって」

「そ、それは響ちゃんに例えただけであって…！
今は優しく扱われたい」


咄嗟に逆を求めると、煌哉は意外とすぐに離れてくれた。

その上私の体も起こしてくれるほど。
本当に優しく扱ってくれるようだ。


最初からこう言っておけばよかったのか、なんて思う冷静な自分もいた。


「これでいいのか？」
「う、うん…！」

何度もコクコク頷き、今度は上体を起こしてお互い向き合った。


煌哉はいつにも増して真剣な表情をしていて、初めて見る彼の様子に胸の奥がくすぐったくなる。


「じゃあどうしたら千紗は信じてくれるんだ？」
「えっ…」

「俺の気持ちは本気だってこと」


スッと手が伸びてきて、一瞬何をされるのかと警戒してしまう。

けれどその手は単に私の頭を撫でるだけのようで、体の力を抜いた。