クールなオオカミの過剰な溺愛



そのため人気は高まる一方であることを彼は知らない。

きっと素が優しいのだ。
どうしてグレていたのかと聞きたいほど。


初めて言葉を交わした日は『家に帰りたくない』と言っていたけれど、今は両親との関係も良好である様子。

本人は私のおかげだと言っていたけれど、私は何もしていない。


「うわぁ、すっごい雨のにおいがする。
もうすぐ降るかな」

現在梅雨の時期に入っているため、悪天候の日が多い。


最後に晴れたのはいつだっただろうかと、すぐには思い出せないほどだ。

外に出ると今日も曇り空で、さらには雨の日の独特なにおいすらした。


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