クールなオオカミの過剰な溺愛
変化する日常
その日の夜はほとんど寝付けなくて、響ちゃんの動画を観てもまったく煌哉を忘れることができなかった。
そのためひどい顔で朝を迎えることになる。
「……疲れた」
こんなにも疲れるほどの長い夜を過ごしたのは初めてだ。
まだアラームが鳴る時間でもないし、両親もまだ起きていないのかリビングから物音ひとつ聞こえない。
それでも今日は早く起きようと思い、ベッドから降りる。
できれば煌哉が家に来る前に学校へ行きたい。
そう思うのは初めてだったけれど、彼と顔を合わせたくないのだ。
「えっ、千紗?
どうしたの早く起きて」
「珍しいな、千紗が俺と同じ時間に起きてくるなんて」
制服に着替えてリビングに行くと、ちょうど同じタイミングでお父さんとお母さんが起きてきて。
すでに準備をしている私を見てふたりとも驚いていた。