クールなオオカミの過剰な溺愛
「んー、なんか寝付けなくて…」
「何かあったの?ひどい顔してる」
さすがは親だ、私の顔を見てすぐ異変に気付いたお母さん。
「まあ、うん…それよりお母さん!今日はお弁当作らなくていいから、その代わりに化粧してほしいな」
このひどい顔を隠すには化粧しか方法がない。
とはいえ一切興味のない私は、化粧道具などほとんど持ち合わせていなかった。
つまり親に借りるしかないし、借りたところで技術がないのだから頼むほかない。
「まあ確かに化粧で隠したほうがいいかもね…わかったわ。てことでお父さんも今日はお弁当なしね」
「え…」
「ごめんねお父さん」
お父さんが反応を示す前に謝れば、黙って頷いてくれて。
さらには『これをお昼代にしろ』と言ってお金もくれた。
なんとも娘思いの父親である。