クールなオオカミの過剰な溺愛
それからすぐに洗面所へと向かい、顔を洗った後簡易椅子に座らされた私。
「そこまでガッツリした化粧は求めてないわよね?」
「うん、ひどい顔を隠せるくらいでお願いします」
お母さんの質問に答えて約10分ほどで化粧は終わった。
「うわっ…すごい。
全然違う」
目を開けて鏡を見れば、先ほどのひどい顔からは程遠い姿へと変わっていた。
普段の私よりもずっとマシに見える。
たったの10分でも人はこれほど変わるのか。
「当たり前でしょ?千紗はもっとかわいくなれるのに、化粧に興味ないんだから」
「だって面倒じゃんか」
とはいえ今の姿にはさすがの私も驚きである。
目がぱっちりになっているし、ボリュームもあるように見えるはマスカラやアイライン効果だろうか。
「じゃあ後はご飯食べて、歯を磨いた後にグロス塗るのよ?それくらい持ってるわよね?」
「そ、それはさすがに…!」
色付きリップであることは黙っておこう。
だってグロスだとベタベタするような印象があって、なかなか買う気になれない。