クールなオオカミの過剰な溺愛
本当に女子力のかけらもないなと思いながら、まだ時間もあるためアイロンで髪を整えてから後ろで束ねることにした。
それからゆっくりご飯を食べ、歯を磨いてリップをつけた後でもまだ十分時間が残っていた。
普段の時間からして、おそらく煌哉が来るのはあと10分ほどだろう。
「お母さん、もうすぐ行く?」
「んー、あと10分くらいかな」
そうだ、いつも煌哉が来たくらいに大体お母さんは家を出る。
つまり今日はお母さんより早く家を出ようと思った私。
「じゃあ私はもう行くね!」
「えっ、もう?煌哉くんは?」
「し、知らない!」
「……もしかして喧嘩でもした?」
「ち、違うから…!
行ってきます!」
あからさまな態度を取ってしまったけれど、深く聞かれる前に家を出た私。