クールなオオカミの過剰な溺愛
今日はとにかく煌哉と関わらないようにするぞと心に決めて、一階のエントランスへと出たのだけれど───
「……っ!?」
思わず足を止めた。
なぜならエントランスには煌哉がいたからだ。
「な、んで…」
「おはよう、千紗」
驚きを隠せない私に対し、煌哉はふっと微笑んで挨拶をしてきた。
「お、おはよ…じゃなくて!
どうしているの!?」
いつもなら必ず家に来るのに、もしかしてずっとここで待っていた…?
「千紗のことだから、俺を避けるだろうなって」
「……っ」
「どうやら当たったみたいだな。
なんで避けようとするんだよ」
何枚も上手の煌哉に勝ち目のない私は、彼の横を素通りしようと思ったけれど。