愛することに正解はない【完】
天が思ったより早く帰って来てたから、部屋の飾り付けは出来なかったし
帰ってきた天をクラッカーで驚かすことも出来なかった。
考えてたサプライズは出来ないけど
このプレゼントはタイミングを見計らって渡したいと思ったのだ。
「僕ね、凛音が早く帰ってきてって言うから仕事早く終わらせて帰ってきたんだよ。」
いつもの爽やかで愛らしい笑顔でそう言う天を……
今はなんだか怖く感じてしまった。
なんでだろうとそう思いながらもありがとうと相槌をうつ。
「凛音、こっちに来て」
いつまでも玄関で固まったままだった私の腕をぐいっと引っ張る。
「いたっ」
いつもは私のことを宝物を壊さないようにするかのように私に触れる天が、荒く力を込めて私の腕を掴んだ事に驚く。
それと同時に後ろに隠していた天へのプレゼントは廊下で落としてしまった。