愛することに正解はない【完】


私が痛いと言ったことにもモノを落としたことにも天が気づいているのか分からない。


リビングに入ると天は私の手を離す。



「天おこ…「ねぇ、今日なんで涼太のいたの」」


怒っているの?と聞こうとした私の言葉を遮り天はそう言う。


「えっと…………」


ここでなんて言っていいのか私には分からなかった。

タイミングを見てプレゼントを渡したい私は、天の誕生日プレゼントを買いに行ってたとも言えなかった。


そうやって、なんて言おうか迷っていると痺れを切らしたのか天が私に迫ってきた。




天は私の髪を後ろにやり、首をそっと撫でる。



「僕ね、窓から見てたんだ。涼太の車で凛音が帰ってくるところ。」



そう言ってぎゅっと私の首を掴む。



「ゔっ…!」


涙目になる。苦しい……



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