愛することに正解はない【完】
天は私の服にしがみつき嗚咽を漏らす。
「僕、凛音が可愛いすぎて、好きすぎて、愛おしすぎてどうにかなってた」
「…………」
「凛音愛してるよ……」
「僕を嫌わないで……?お願い……」
その言葉に私は胸がぎゅーーっと鷲掴みされた気分になった。
それは天の言葉に嬉しくてドキドキしてなのか
それとも歪み始めた気持ちに苦しくなったのか
この時の私は分からなかったし、後者のことは必死に考えないふりをしていたんだと思う。
「……嫌いになるわけないよ。」
天の気持ちに応えようとするように私は天をぎゅーっと抱きしめた。
「天愛してるよ。」
このときから私たちの歯車は不快な音を響かせて動き始めた。