愛することに正解はない【完】
「もう、近いって!」
そう言って理久を押しのけながら、私も久々のこのノリに楽しくなってケラケラと一緒に笑っていた。
ちらっと天の方をみると、みんなが笑ってるなか天だけは笑っていなかった。
近すぎたかな…
酔いが一気に冷めた。
理久や涼太との軽いスキンシップにも天は嫌がるのか……
「僕、そろそろ帰るよ。」
「え、もう?」
「早くない?明日も休みでしょ?」
「もっといなよ〜」
などとみんなが言ったけど、天は首を振った。
「凛音、帰ろ?」
「うん……」
天の言葉に嫌だとは言えなかった。
それから、2人分のお金を渡して店を出た。
家に帰るまで天はなにも話さなかった。