愛することに正解はない【完】
「ねぇ、天?」
「なに?」
喉が乾いて台所で水を飲んでいる天に声をかける。
「今日楽しかったね?」
恐る恐るそう言うと天は私の肩を掴んだ。
「ねぇ、凛音。何が楽しかったの?理久にあんなに触れられて楽しかったの?」
肩を押されてキッチンにぶつかる。
「あれは、いつもの理久の悪ふざけでしょ?」
「悪ふざけってなに?凛音は僕のものなのに…なんで僕以外に触れさせるの?」
「なんでって……」
いつもの天の悲しく辛そうな顔に何も言えなくなる。
「それに凛音、今日最近で一番楽しそうに笑ってた!僕と居るより、理久や涼太といる方が楽しい?!僕より理久や涼太の方が好き?!」
その言葉に涙が溢れた。