愛することに正解はない【完】
なんでこういうときに限って、幸せなことばかり思い出してしまうのだろうか。
そういえば日付も回ったし、今日は天と付き合って一年が経った『記念日』だった。
ちょうど一年前のことをふと思い出す。
天に告白されて付き合ったあの日のことを。
あの時はまだお互い友達から恋人に変わったばかりで、初々しくて……
ちょうど一年前、私は
きっと天も…
幸せで仕方なかった。
今日という日を迎えることが出来、天は幸せに思っているのだろうか。
結局私はこんなことばかり考えてしまう。
涙が頬を伝うのが分かる。
不器用な天が本当に心配した様子で泣きそうになりながら巻いた肩の包帯が涙と共にするりと落ちていく。