太陽と月

「椿を離せ!」そう言い私を抑えつけている2人の男に近付いてくる陽介の目はいつもの優しい目ではなく、怒りに満ちた目だった。


「はーい。ストップ!それ以上近付いたら、この子の手折っちゃうよー?」私の右側にいた男が挑発的な言い方をする。


足を止める陽介。


私は怖くて震えていた。本当に腕が折られるんじゃないか…そう思った。何よりも陽介の怒りに満ちた目を初めてみた。


「まーとりあえず、通行料払って頂戴よ。」そうリーダーらしき男はタバコを吸いながら言う。


「…金を払ったら椿を離してくれますか?」


「そうだね。離してあげる。そしたらまたデートの続きでもして頂戴よ。あっでもこの場所はちょっと目立つから移動しようか」と喰われていたタバコをその場に投げ捨て、陽介の肩を抱きコンビニの裏手に向かって行った。


私の両手も離される事なく、一緒に連れて行かれた。


後ろからも数名の男の子と女の子が着いて来る。
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