太陽と月
背筋がゾクっとした気がしたけど、自分に気の所為だと言い聞かせる。
『2人とも座れ。』
真也さんが言うと、テーブルを挟んだ前のソファーに2人が座る。
陽介と呼ばれてる子はニコニコと渡しの方を見ていた。
一方颯介と呼ばれた子は窓の方をボケっ見ており、目が合わなかった。
真也さんが口を開く。
『2人とも自己紹介をしなさい。』
待ってました!と言わんばかりに、陽介と呼ばれた子が口を開く。
『俺の名前は陽介。4月から中3になる!よろしく!』とニカッと笑い私に向かって手を出す。
これは握手なのかな?と思い、手を出すと、握られた手をぶんぶんと上下に振られた。
相変わらず太陽みたいな笑顔を崩さず。
そんな私達をチラリと見た颯介と呼ばれた子が口を開いたと同時に振られた手は外れた。
『僕の名前は颯介。同じく4月から中3。』
と笑顔で自己紹介をしてくれるけど、やはり冷たさが漂っていた。
2人とも中3って事は二卵性の双子なのかなと思った。
2人とも整った顔をしているけど似てはいなかった。
そう考えていると陽介がカラっと明るい声で
『俺達は、3歳の頃に父さんに拾って貰ったんだ!同じ施設に居たんだけど、2人同時に養子にしてもらった。だから、俺達は血が繋がってないよ』
と明るく言う。
私は思わず真也さんの顔を見た。
真也さんは私の顔を見る事なく答える。
『陽介、颯介、こいつは今日からお前ら2人の妹になる。』
真也さんと言う人間が全く分からなくなってしまった。