太陽と月

屋上に行くと心地よい風が吹いている。


私はベンチに座り予鈴がなるまでここに居ようと思った。


先程の先輩達の目が脳裏から離れない。


憎悪に満ちた目。私を哀れむ目。


施設で何度も何度も見てきた目だ。









「何してるの?」不意に声をかけられビクっとしてしまった。


まさか、こんな朝早くに屋上に人が来るなんて思ってもいなかった。


恐る恐る振り向くと、そこには


「…颯介…」


颯介が立っていた。


「それ、陽介に渡さないの?」とお弁当に目線を送る。


「…」何も言わない私をジッと見る颯介から思わず目線を外してしまった。


颯介は私に近付き、「汚れてる」そう言って肩の埃を払ってくれた。


そして隣に座る。


「何かあった?」


そう優しい口調で聞いてくる。


私は戸惑いを隠せなかった。


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