太陽と月
「宣誓。我々選手一同は、この青空の下で今日という日を迎えられたこと、今日まで練習の時間を与えてくださった先生方に感謝し、正々堂々最後まで戦い抜くことを誓います!生徒代表、西園 陽介」
陽介の堂々とした声が運動場に響き渡った。
颯介は校長先生が「はい。皆さん、クラスメイトと力を合わせて…」と言っている言葉を遮って
「皆の衆ー!気合い入れていくぞー!今年は優勝したチームに特典があります!」
と生徒全員が初耳である事を言い始め、運動場が歓声に包まれる。
「その特典とはー!優勝したチームにこちらの偉大なる校長先生が1日限定10食のフルーツサンドパンをチーム全員に提供して下さりまーす!」
陽介がそう叫ぶように言うと運動場全体が更に歓声で盛り上がる。
「いいぞー!生徒会ー!」
「西園さいこー!」
「陽介グッジョッブ!」
「校長太っ腹じゃん!」
そんな歓声に慌てた校長先生が
「かっ勝手な事を言うなー!」と顔を真っ赤にして陽介に詰め寄るが、陽介はヒラリと交わし壇上から降りた。
「ヨッシャーー!お前ら気合いれていけよー!」とマイク無しの通る声で叫んだ。
「「「おーーーー!」」」
全校生徒が拳を挙げて、体育祭がスタートした。
「陽介先輩やるなー!」と隣にいた美月が私に笑いながら言った。
陽介はいつも皆の中心にいて、人の心をいとも簡単に掴んでくれたよね。私はそんな太陽みたいな君が大好きだったよ。