太陽と月
血が繋がっていない?この二人も私の様に捨てられたの?
色んな事を考えていると、真也さんが言う。
『自己紹介をしなさい』
どうやら今度は私の番のようだ。
『初めまして。私の名前は・・・名前・・・』
数時間前に名前を捨てたはずなのに、いざ新しい名前を言う事に躊躇してしまう。
そんな私を見た、颯介が口を開いた。
心なしか意地悪な表情で。
『名前は何て言うの?』
『つ・・・椿です!』
そう言っていた。
そう、私は前の名前はもう捨てたんだ。
陽介が嬉しそうに話しかけてくる。
『椿!宜しく!』また私の手を握り、ぶんぶんと上下に振る。
そんな私達を見た真也さんが
『椿は、4月から2人同じ中学校に行くんだ。中高エスカレート式だ。』
そっか。施設の近くの中学校じゃないんだ。
翔君や桜ちゃんと同じ中学校に通いたかったな・・と思ったけど、その思いをすぐにかき消した。
私は、今までの過去を捨てて新しい人生を歩むって決めたんだ。