太陽と月

『それでは!3年によるクラス対抗リレースタートします!第一と走者の生徒はスタートラインにお立ち下さい!』アナウンスの声で運動場は歓声に包まれた。


『それでは位置についてヨーイ』


パーーーン


ピストル音が響く。



「A組いけー!」
「負けるなー!」
「いいぞー!」


様々な声援が聞こえる。


『おっと!B組が1番を取っている!A組も負けていません!』


アナウンスが実況中継をしていたが、私は胸の前で手と手を組み目を瞑った。


『B組、バトンが渡りました!続いてD組にもバトンが渡る!』


アナウンスの声と声援の声が交じって聞こえる。


『B組速い!やはり陸上部で固めてきたのが強さの表れでしょうか!?』


『次にD組、A組です!』


「いけー!B組!」
「D組いけるぞ!追いつけ!」
「A組これからこれから!」
「C組!頑張れ!」


アナウンスを聞く限り颯介のいるC組は1番最後の様だった。


『3人目の選手にバトンが渡る!順位は変わりません!1位B組、続いてD組!A組!C組巻き返し出来るか!?』


運動場は異様な盛り上がりを見せる。


『ここで4人目の選手にバトンが渡りました!ここが勝負です!アンカーに繋ぐ選手達です!』


胸がドキドキする。目を開けてみたいけど、怖くて見れない自分がいた。


さらに声援が加速する。


『ここで、アンカーに次々とバトンが渡される!おっと逆転です!相変わらずB組が独走!続いて、A組!C組です!D組は遅れを取ってます!』


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