太陽と月
そう叫ぶと、ワ――――――と大きな声援が聞こえた。


『先にゴールを切ったのは・・・・C組!西園選手です!続いてA組西園 陽介選手‼3着に・・・・―――――』


颯介が勝った。心が熱くなり、握られていた美月の手をぎゅっと握り返した。


颯介はゴールの少し先で膝に手を置き肩で息をしていた。


陽介も同様に、肩で息をしながらその場にしゃがみ込む。


『最後までどっちが勝つか分からない接線でした!!』


「よっしゃー!」
「C組バンザイ!」
「西園良くやった!」


アナウンスの声と共に、颯介を讃える声も聞こえた。


『それではそれぞれの選手にインタビューをいたいと思います‼』

アナウンス部の生徒が颯介の元に行く。


『西園選手!1位おめでとうございます!今のお気持ちは?』


肩で息をしていた颯介は向けられたマイクに

『…勝つ自信しかなかったんで』と少し微笑みながら言った。

その一言で、運動場に歓声が響く。

『素晴らし自信ですね!おめでとうございます!』

そう言われた颯介はクビをポキポキと回すと何も言う事なく、メンバーの元に戻っていく。
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