太陽と月

「おっその顔は聞きたい!って顔だね」そう進藤先輩に言われ内心ドキリとした。


颯介の秘密って何だろう。
気になるけど、颯介と進藤先輩は友達だよね?友達が簡単に秘密を誰かに話すのかな…


そんな事を考えていると


「どうする?」進藤先輩が首を傾げて聞いてくる。


「あの…!友達の秘密を誰かに言ったりしちゃうとかいいんですか!?」思い切って聞いてみた。


少し目を見開き驚く表情をする進藤先輩。


そして、笑い始めた。本当に可笑しそうに笑い始めた。


「何が可笑しいんですか!?」少し上ずった声を出してしまう。


それでも、進藤先輩は顔を覆りながら、クックっとまだ笑っている。


「私、帰ります!」次は引き留められても、絶対に振り返らないと心に決めた。


それなのに、進藤先輩が放った言葉で私はその決意が簡単に揺らいでしまった。


「ごめんごめん。だって、俺と颯介が友達とか、可笑しい事言うからさ。」


何言ってるの?颯介と進藤先輩は友達じゃないの?


さっきの決意はどこにやら、振り向き進藤先輩を見る。


そこには、笑顔が消えた進藤先輩が私の目を見据えていた。


「2人は友達じゃないんですか?」


「ねぇ、椿ちゃん友達って何?」質問したのに質問をされる。


「え…」そう聞かれて私は直ぐに答える事が出来なかった。


「友達って都合のいい言葉だと思わない?“友達”だからって枕詞つければ何でもまかり通ると思っている」


そう言われてドキリとした。


「…そんな事…」言いかけて口を閉じた。


「俺と颯介は友達なんかじゃないよ。俺と颯介は…-------」

















“契約で結ばれた関係だよ”


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