太陽と月
その男が言い放った事が理解出来なかった。
いや、理解は出来た。
ただ、信じたくなかった。
遥先生が私の手をギュッと握って
『莉愛ちゃん、きっとママには何かしらの理由があるの。』
理由って何?
里親を探してくれってって何?
私の家族はママだけだよ。
呆然と立ちすくむ私に男が大きな溜息をついた。
『おい。いつまで呆然としてるんだ。いいか。お前は捨てられた。それが現実だ。』
まるで、ロボットが話してるのか男からは感情の一つも感じ取れなかった。