太陽と月

 その男が言い放った事が理解出来なかった。

いや、理解は出来た。

ただ、信じたくなかった。

遥先生が私の手をギュッと握って


『莉愛ちゃん、きっとママには何かしらの理由があるの。』

理由って何?

里親を探してくれってって何?

私の家族はママだけだよ。

呆然と立ちすくむ私に男が大きな溜息をついた。

『おい。いつまで呆然としてるんだ。いいか。お前は捨てられた。それが現実だ。』

まるで、ロボットが話してるのか男からは感情の一つも感じ取れなかった。


< 2 / 230 >

この作品をシェア

pagetop