太陽と月
「2人も!ここでランせえへん?」


良かった。いつもの美月の笑顔だ。いつもの笑顔だったけど、相変わらず卓也さんの腕に自分の腕を絡ませている。


まるで、この人は自分のものだとアピールする様に。


「俺は何処でもいいよ」そう言うタケさんに私も同意をする様に頷いた。


「ほなここで決まり~!」そう言って美月はお洒落な店のドアを開ける。


店の中に案内をされて4人でパスタやピザを頼んだ。


私とタケさんが隣同士に座り、正面に美月と卓也さんが並んで座る。


「卓也さん!ここの店めっちゃ美味しいねん!卓也さんも絶対に気に入ると思うねん」


そうニコニコ笑う美月。それに対して卓也さんも微笑み返す。


「2人はラブラブだね~。もう付き合ってるとか?」隣に座っているタケさんが私も気になっていた事をサラリと聞いた。


すると美月は顔を真っ赤にして


「付き合ってへんよ!私なんて卓也さんからしたら子どもやもん」


そう言って目を伏せた。


そんな美月の頭を卓也さんは撫でながら


「美月は大人っぽいよ。中学生には見えない」と微笑む。


「ありがとう」小さな声で呟く美月がいつもと違って見えた。


相変わらず、大阪弁ではあるけどいつもより大人しく思った。


「ねぇ椿ちゃん!美月は学校でどんな感じなの?」卓也さんにいきなり話しかけられ戸惑いを隠せなかった。


チラリと美月をみると、目で何かを訴えていた。


あぁ~フォローしろって事か・・・そう頭によぎる。


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